2015年10月7日水曜日

フライヤー制作のススメ ★大切な3つのポイント

こんにちは。
さすらいのクリエイター山田明義です。

さて今回は、私が関わってきた作品をご紹介しながら、効果的なチラシ制作について考えてみたいと思います。

チラシ制作、特に今回はミュージシャンやイベント告知などについてになりますが、主に3つのポイントがあるかと思います。

1.デザインとは何か
2.配布時期を見据えた制作予定
3.費用対効果

それでは考察していきましょう!


【1.デザインとは何か】


★フライヤーの価値と届ける想い

お金をかけずにSNSやブログなどで告知したり、写真や動画で宣伝したり、いろんな方法がありますよね。
ですが、直接手に取ってもらう印刷物は、スマホ画面やテレビCMとは違った良さがあり、まだまだ人気で需要も増えています。web入稿の普及で低価格な印刷会社も増えてきてます。

私が制作するタイプは以下が多いです
●ライブ(催し)フライヤー
●アーティストフライヤー
●店舗、会社紹介フライヤー

枚数は、多くても2000枚。100枚、500枚、1000枚のオーダーがほとんどで、
サイズはB5が一番多いですね。

印刷物は、デザインしてから納品され、人の手に渡るまで、様々な工程があり手間がかかりますが、その分、自分の分身のような、特別な価値があると思います。

例えば、先ほどの画像。
これは昨年、オルガン奏者の花田えみさん(http://emihanada.org)が、ライブハウスを8日間借りきって60名以上のものミュージシャンと共に繰り広げた「Happy 8days」のフライヤー下書き案(花田さん筆・転載不可)です。
ラフスケッチではありますが、
タイトルからもわかるように、ミュージシャンの笑顔と大きなハートマーク。この時点で伝えたいことが強く出ていてとてもキャッチーですね。
これは、花田さんがラフスケッチをする前に私が出した原案です。
HAPPYという単純すぎるこの案に、私自身も不自然さを感じてました。
(不甲斐なさも感じつつ…w)
そんな矢先に花田さんがスケッチをくれたんですね。

★デザイナーだけが創るのではない

花田さんはスケッチを描いてくれましたが、そのようなイメージが全くない場合もありますし、スケッチが描けなくて当然でもあります。

私がこのスケッチで、これだよこれ!と思ったのは、絵の要素ではなく、先ほども言いましたが
笑顔とハートマーク。デザインで大切なのは9割がメッセージです。
なので、企画者または発信者の想いやメッセージを聞かせてほしいのです。
スケッチは描けなくても、そのメッセージさえあればもう半分以上は完成しています。デザイナーがすべてを創るわけではないのです。

★笑顔の60名がさらなる笑顔を生む

さて、そうこうして納品されます、
花田さんは、この60名の出演者それぞれに、フライヤーを配布用として分配するわけです。
画像であればメールやLINE、グループにして投げれば終了です。
しかし印刷物は、郵送だったり、手渡しだったりと大変ですね。
そこにまた想いがあり、想いを生むのだと思います。
60名の出演者がまるで"自分が企画者"かのように、完成したフライヤーを人々に配る。そこからもうライブは始まっているのです。



【配布時期を見据えた制作予定】

★予定を逆算する

当然のことですが、どのタイミングで配布するかを決めましょう。

制作をスタートする時期を逆算するためには以下の要素が必要です。

*印刷納期…発送日含め2日〜10日。金額が変わります。およその金額差は
2日→3日→4日→5〜6日→7〜10日
の順に安くなります。
ケースにもよりますが7日以降は10円単位あるいは数100円しか変わりません。

*デザイン期間…デザイナーにしてみれば、デザイン期間はあってないようなものですが(笑)、企業ではなくフリーの場合は着手するまでどれくらい余裕を持てるかを考えます。ここではおよそ2週間を目安としておきます。
(急げばそれだけ価格が上がるのが常識ですが、フリーの場合は企業のようにはなかなか言えず、期間に関わらず同価格でやることも多いですね)

これらの制作過程ですでに3週間。
お店に置いたり、分配したりと
準備期間なども考慮すれば、
フライヤーの開催日から少なくとも2ヶ月〜3ヶ月前からスタートさせるのが望ましいですね。




★考慮すべき確認作業

例えば1枚目はわたしが企画者であるタルタルクラブのフライヤーですが、これはもうすべてが独断ですので、わたしが自分でGOを出しますよね、
それと同じように、ジャッジをする人たちがシンプルな方が確認作業はスムースです。
2枚目の神河町でのイベントフライヤーは、日時とタイトル、インフォくらいしかない状態でわたしが構成し、自由に作った原案がほぼオッケーだった例です。この場合も、ジャッジをする方が少なく、シンプルなので着手してから入稿までが速いパターンです。


こちらは先ほどの8daysの裏面ですが、関わっているミュージシャンが多いため、それぞれに「こんなん出ましたけどぉ〜」と、確認画像を送ってレスを待つのに時間がかかったりしますね
(ミュージシャンは特に返信が非常に遅い方もちらほら。返信素早いなんてRockじゃねぇ!みたいな人も…いないか)

そういうことも含めると、かなり前もって原案作成依頼をした方が安全です。

★詳細がFIXしてなくてもとにかく投げる!

日時と場所は決まってて、
アー写もとりあえずのものはある、
でも開始時間とかチャージがまだ決まってないから、全部決まってからデザイナーに依頼しなきゃ。
というのは、意外と危ないかもしれません。


こちらはWINDJAMMERのフライヤー及びポスターですが、後藤くんの依頼の仕方はとても効率の良いやり方でした(さすがだと思った)。後藤くんは何ヶ月も前から(半年とかのレベル)、何も具体的ではない状態でも、何か少しでも動けば、「いま、こんな感じっす〜!」と、便りをくれます。こちらとしては、それでもある程度決まってこないと着手できませんが、情報が入ってくると、メッセージ性だとか想いを具体化させる考案期間にかなり余裕ができます。きっと仕事ができる方にとっては「それわりと当たり前」と思われるかもしれませんが、そもそもミュージシャンが広報まで自分でコントロールするというのはまた特別な能力な気もしますので、、w




また、コンセプトとして情報量の多いものを制作する際も物理的に時間がかかりますね。こちらは初田悦子ちゃんのプロフィールフライヤー(ミュージシャンの名刺みたいなもの)の裏面と、佐々木詩菜ちゃんのツアーフライヤー裏面です。
より深く知ってもらいたいケースや敢えてコアな情報を載せたりとか、
ある種の読み物的なものにする場合も
制作期間を考慮する必要があります。

ご依頼の際は余裕を持ってスケジュールをコントロールしましょう。
確定ではなくても、いろいろと、あーでもない、この方がいいかも?と、一緒に練っていけるのもフリーデザイナーとの制作の醍醐味ですよ。



【費用対効果について】

さて、フライヤー配布の効果はどれくらいあるのでしょう?

「とあるお店でたまたまフライヤーを見て、面白そうなので見に来ました」
みたいな人って短期間にはほぼいないと思います。

広告の基本は、目にとまる→気になる→前から気になっていた→シンクロニシティ→もっと知りたくなる

だと思います。
ここで敢えてシンクロニシティという言葉を使ったのは、「偶然」でもなく「必然」でもないからかもしれないのでw。

どこかで目にした情報の二度目とか、
誰かに聞いた話がいつかの記憶と重なったりとか、そういったことを少しでも必然的に起こる確率を上げる、
それがフライヤーの効果です。

例えば先の画像、こちらも花田えみさんが毎年開催しているビリープレストン追悼ライブ。このような、テーマ性があるものや、継続的に続けてゆくものは開催日が終わっても効果が期待できるパターンです。旬な期間が過ぎても、テーマ性があれば、そのテーマそのものに興味がある人に気付いてもらえる可能性がありますし、継続的にやっているのならば尚更です。

普通は公演が終われば捨てられてしまうものですが、このようなケースや、
継続的にあるテーマに基づいた企画、どこかの誰かのフェイバリットにヒットするかもしれないものは、公演が終わっても1枚だけでも壁に貼ってもらえるよう努力すると良いと思います。

★公演が終わってもゴミにならない画期的なフライヤー


こちらは石原志織ちゃんのワンマンフライヤーですが、右側半分に掲載されているのはプロフィール、要するに時期にとらわれない情報のみを載せています。左側はワンマンですね。
真ん中でカットしてしまえば、ワンマンが終わってもプロフィールフライヤーとして再利用できるというアイデアです。
大切なワンマン、ミュージシャンはこう考えます。「頑張って配るし、ワンマンだから参加メンバーも配ってくれるかもしれない、足りなくなったらどうしよう」
そんな迷いはこのデザインで吹っ飛びます。思い切って2000枚、3000枚印刷してもプロフィールとして使えます。
そうなんです、印刷は、一度の枚数が多い方が当然割安になってきます。

こちらも田島茜ちゃんのワンマンフライヤー。セパレートタイプですね。
やはり、ワンマンとなると気合いも入りますし、告知としては大きなトピックなのでたくさん配布した方が良いですからね!

そういった考えも、後々の活動のことを考えると、費用対効果として有効なのではないかなと思っています。

★個性と意匠のバランス

目にとまる、それが一番大切なことかもしれません。ですが、音楽同様に、大切に温めてきた音楽や世界観、それこそがアーティストのカラーですから、目立つ要素とアーティストのイメージというバランスはとても難しいなといつも思っています。

アーティスト本人よりも客観的にそのアーティストを描けるかもしれない、
でもその本質までも見えた状態で画を出さなきゃな、と思っています。
(当たり前なんですけどね…)

ということで、今回は、私とミュージシャンというテーマでフライヤー制作について考えてみました。
機会があれば、一度ご相談ください。

一つ一つの催しを大切に刻んでゆく、
そんな気持ちの後押しになればと思います。

私のサイトをリニューアルしました。
今回触れた作品の他にも実績を掲載しておりますので覗いてみてください。

今後ともよろしくお願いいたします。

Akiyoshi.me
山田明義

新サイトはこちら↓

http://akiyoshi.me